2023年は日本とベトナム外交樹立50周年!
これを記念して、コロナ後最初の「日本の祭典」を2024年3月8日と9日の2日間ホーチミンで開催しました。
2019年ハノイ公演に続く2回目のベトナム公演です。
ベトナムから技能実習生として多くの若者が日本に働きにきていますが、Suleco日本語学校は、渡航前に日本語や様々な技能を学ぶことのできる専門学校の一機関です。3か月から半年の期間、日本について集中的に勉強しますが、日本に来てからは多くは日本の文化に触れたり、日本人と接する機会は決して多くはないと言います。そんなベトナムの若者たちに日本に行く前に、文化を通して日本人と交流していただきたいとの思いから、初日はSuleco日本語学校で開催しました。弊社では日本語学校での文化交流を2017年から行っています。
学校に到着すると、校庭にはピラミッドのような巨大なテントやブースが設けられ、お祭りの雰囲気!各ワークショップ会場の教室入り口もパネル看板が用意されていて感激! 制服の赤いTシャツを着た生徒さんが、「おはようございます!」と元気よく出迎えてくれました!
“日本の文化とマナー教室”も開催したところ、教室は生徒さんでいっぱいになりました。
3月8日は国連が定めた“女性の日”
ベトナムでは感謝の気持ちを込めて女性に薔薇を贈るそうです。日本から参加の皆さんは、ステージ、ワークショップ、そして、日本食作りに分かれて準備スタート!Sulecoの生徒さんにも協力していただき、おにぎりのお雛様(見えるかな?)、豆腐でおから、そしてお味噌汁に、桜の干菓子🌸を添えて、女性の先生に感謝のランチを作りました!
日本とベトナムは、古くから文化でも接点があるのをご存じですか?
仏教伝来は、皆さんも歴史の教科書で習ってご存じですね!年代はいろいろ説がありますが、6世紀ごろと言われています。仏教と一緒に大陸から様々な文化が日本にもたらされました。奈良の正倉院には琵琶をはじめ沢山所蔵されている宝物を思い浮かべていただくと、日本にいかに多くの文化が伝わったか想像できます。
最古の音楽として知られる日本の雅楽も、日本古来の音楽の他に、中国やインド、そして南ベトナムから音楽や舞が伝わり、皇室や神社、寺院で演奏され、伝承されてきました。この雅楽の演目の中にベトナムから伝わった曲があります。それを『林邑楽(りんゆうがく)』と言います。
林邑(チャンパ、現在の中部ベトナム)出身の僧・仏哲によって、8世紀頃に日本に伝えられたとされる舞楽です。日本の雅楽伝統において、舞楽は大別して朝鮮半島由来の高麗楽の伝統(右方の舞)と、中国大陸由来の唐楽の伝統(左方の舞)に分けられますが、林邑楽は9世紀ごろまでには後者に組み込まれ、長らく宮廷や寺院の法会などで演奏されてきました。現在のベトナムの宮廷音楽との関連性は定かではありませんが、日本に現存する「林邑八楽」(8つの曲目で構成される)は、雅楽の中でもよく知られた楽曲となっています。なお、ベトナム宮廷音楽は、2009年、UNESCO無形文化遺産として登録されています。
翌日は100年の歴史のあるサイゴン大学で開催しました。サイゴン大学の学生さんによる舞踊と居合道で盛り上がり、続いていけばなデモンストレーションと雅楽が厳かに始まりました。サイゴン大学には芸術学部がありますが、雅楽の演舞では真剣な表情で見ているのが伝わってきました。ゆかたショーには学生さんにもモデルで舞台に上がっていただき、客席からは歓声が上がりました。
ステージの外も、将棋、和菓子作り、おにぎり作りの体験プログラムで盛り上がっていました!サイゴン大学には日本語学部がありませんので、前日のSuleco日本語学校の生徒さん(赤シャツ)が通訳として助っ人にきてくださり手伝っていただきました。
声明(しょうみょう)をご存知でしょうか。仏教音楽の一つと聞いてもピンとこないかもしれません。キリスト教の聖歌のようなものと言われてうなづく方は多いでしょうか。
1000年以上の歴史のある声明は口伝で伝承されてきました。楽譜はとても独特で、現在では継承されているのは日本だけだそうです。
声明の旋律から日本の伝統芸能である平曲や能、歌舞伎、詩吟などが派生しました。
日本の文化は川の流れのようにつながって、支流に広がっているのですね。
観客の皆さんはお坊さんのパフォーマンスすることに驚かれたかもしれませんが、ベトナムも仏教国ですので興味深くご覧いただいたと思います。
ご参加いただいた皆様、会場のSuleco日本語学校、サイゴン大学の皆様、ありがとうございました!
これからも日本とベトナムとの文化交流を継続してまいります。
最後までお読みいただきありがとうございました!